FLAGSのインタビュー企画「FLAGSな人たち」では、メンバー一人ひとりが掲げる「FLAG」と、その旗に向かうアクションを伺っています。

今回のゲストは、打上郁美 さん。
宮崎県で在宅医療に特化した調剤薬局を立ち上げ、県内最大規模にまで育てあげました。
また、前回このコーナーに登場した打上蓮さんのお母さんでもあります。


起業から6年。
2026年5月に会社を売却し、現在は代表取締役として会社に残りながらも、場所や時間に縛られない生活をスタートしました。

一つの大きな旗を立てきった今、郁美さんはすぐに次の旗を掲げようとはしていません。

旅をする。本を読む。人に会う。身体を鍛える。英語を学ぶ。

そうして自分の中に新しいものを蓄えながら、次の旗の種を探しています。そしてもう一つ、今後やってみたいこととして語ってくれたのが、誰かが立てようとしている旗を支えることでした。


サーフィンをしたくて、宮崎へ

現在、郁美さんが暮らしているのは宮崎県です。
宮崎へ移住したのは11年前。きっかけは、サーフィンが好きだったから。
ステキですね。

そんな郁美さんですが、東京で大学生活を始めた息子の蓮さんに会うため、そしてMusashino ValleyやFLAGSのイベントに参加するため、現在もたびたび東京を訪れています。
オンラインでもリアルでもよく顔を合わせるため、思わず「どこに住んでいたんだっけ?」と感じてしまうほど、距離を感されません。
そんな軽やかな行動力は、これまでのキャリアにも表れています。 

在宅医療に特化した薬局を、県内最大規模へ

郁美さんは薬剤師としてキャリアをスタートしました。
大学卒業後は、製薬会社や病院、薬局などで経験を積み、6年前に宮崎県で在宅医療に特化した調剤薬局を立ち上げたそうです。

現在は2店舗を展開し、宮崎県内では最大規模の在宅特化型薬局へと成長しています。
そんな手塩にかけた会社を、郁美さんは2026年5月に売却しました。

「今は、余暇というか、余生というか。自由にやらせてもらっています」

現在も代表取締役として会社には残っていますが、契約上、どこで何をしていても構わないという働き方になりました。

会社を立ち上げ、県内最大規模まで育てたあとも、そのまま経営を続ける道はあったはずです。
しかし郁美さんにとって、会社の売却は突然の決断ではありませんでした。 

起業する前から、売却を考えていた

「意外に思われるんですけど、起業する前から、何年かやって価値が出れば売却しようと思っていました」

会社をつくること自体が、郁美さんにとっての最終目的ではありませんでした。
大切にしていたのは、自由であること。

年齢を重ねるにつれて、体力や気力、好奇心も変化していくかもしれない。だからこそ、まだ動けるうちに、自由に好きなことができる環境をつくりたいと考えていました。

「自由であることは、私の中ですごく優先順位が高いんです」

会社を売却することは、何かを手放すだけの決断ではありません。
自分が望む生き方を実現するために、起業の時点から出口を描き、その計画を実行した結果でした。
郁美さんにとって今回の売却は、まさに一つの夢がかなった瞬間でもあります。 

一つの旗を立てるために、すべてを出し切った

FLAGSでは、一人ひとりが自分の旗を掲げ、そこに向かって行動していくことを大切にしています。
では、会社を育て、売却するという大きな節目を迎えた郁美さんは、今どのような旗を掲げているのでしょうか。

「一つの旗を、立てきったかなと思っています」

在宅医療に特化した薬局を立ち上げ、事業を育て、売却する。
その旗を立てるために、これまで自分が持っていたものを、すべて出し切ったような感覚があるといいます。

「今は、自分の中にリソースが残っていない状態なのかなと思っています」

だからこそ、今は次の旗を急いで決めるのではなく、インプットする時間です。
FLAGSやMusashino Valley Incubation Studioに参加する。
旅をする。
本を読む。
異なる業界の人に会う。

これまで長く身を置いてきた医療業界の外へ出て、新しい世界に触れていく。その中で得たものと、これまで培ってきた経験を掛け合わせることで、次の何かが生まれるかもしれません。

旗を立てることは大切です。
しかし、まだ見えていない旗を無理に言葉にする必要はありません。旗を探すために動く時間もまた、次の挑戦につながる大切なアクションです。 

次は、誰かが立てようとしている旗を支えたい

今は次の旗を探している郁美さんですが、これからやってみたいことが一つあります。
それは、自分の旗だけではなく、誰かの旗を支えることです。

「会社を経営する中で、いろいろな方に助けていただきました。今度は、誰かが立てようとしている旗のお手伝いができるような形で関わっていけたら、面白いなと思っています」

事業をゼロから立ち上げ、組織を育て、県内最大規模へと成長させ、売却まで経験した郁美さん。
その知識や経験は、これから挑戦しようとしている人にとって、とても心強いものになるはずです。

誰かが一人で旗を掲げ、「あとは頑張ってください」と送り出されるのではなく、周囲の仲間が一緒に考え、必要な力を持ち寄りながら形にしていく。
それは、FLAGSが目指している世界そのものでもあります。 

旅をするために、身体と英語を鍛える

現在、郁美さんが特に力を入れているのが、旅に向けた準備です。
これからさまざまな国や地域を訪れ、自分の目で世界を見たい。そのためには、体力も必要です。
現在は定期的にジムへ通い、毎日何かしらのワークアウトに取り組んでいます。さらに、旅先でのコミュニケーションに備えて、英会話も続けています。
行きたい場所も、すでにいくつもあります。
世界三大瀑布を巡ること。アフリカへ行くこと。オーロラを見ること。氷河が崩れ落ちる瞬間を目にすること。氷河の上を実際に歩くこと。

単に観光地を巡るのではなく、自然の大きさや世界の広さを、身体ごと体験したいと考えています。

若い頃に、もっと多くのものを見ておけばよかった。

そんな思いもあるからこそ、今から取り戻すように旅をしたいと郁美さんは話します。
秋頃からは、ベストシーズンを見ながら数か月に一度のペースで旅の計画を立て、旅先で感じたことをブログでも発信していく予定です。 

仕事以外のことに熱中してみる

これまでの郁美さんは、仕事を中心に生きてきました。
だからこそ、今のアクションは、必ずしもすぐに事業や成果へつながるものではありません。
「今まで仕事ばかりだったので、仕事以外のことに熱中する。それが今のアクションかなと思います」
旅をすること。身体をつくること。英語を学ぶこと。人に会うこと。そして、誰かの挑戦を支えること。
一見するとバラバラに見える行動も、新しい旗を見つけるための種になっていきます。

旗を立てたら、そこへ向かって行動する。
けれど、一つの旗を立てきったあとには、一度立ち止まり、次の景色を探す時間があってもいい。
郁美さんは今、自由になった時間を使って、これまでとは違う世界へ踏み出そうとしています。 

旗を立てる人も、旗を支える人も

FLAGSは、自分の旗を立てて行動する場所です。
同時に、誰かの旗に共感し、一緒に動いたり、応援したりする場所でもあります。

郁美さんは、一つの大きな旗を立てきりました。
そして今、次の旗を探しながら、誰かが立てようとしている旗を支える側にも回ろうとしています。

新しい事業を始めたい人。組織を育てる中で悩んでいる人。医療や地域に関する挑戦を考えている人。旅を通じて新しい世界を見たい人。
郁美さんの経験やこれからの行動に共感した人は、ぜひFLAGSの中で声をかけてみてください。

誰かの旗を応援することが、自分自身の新しい旗を見つけるきっかけになることもあります。
次の旗がまだ見えていなくても、動きながら探していけばいい。

一つの旗を立てきった郁美さんの、新しい旅はすでに始まっています。